中央アルプス 千畳敷カール→宝剣岳 (2,931 m) →中岳 (2,925 m)、→木曽駒ケ岳(2,956 m)→馬の背→伊那前岳

ここ数ケ月、虎視眈々と狙っていた。長野県駒ヶ根市が終日晴天マークの金曜日を。前回、雲に覆われた山頂を見て、入り口で断念してから、登りたい欲求でパンパンになっている。仕事も少し余裕がでてきた木曜夜、「明日休む!」の無責任メールを部下に送り付け、「3000m級の山から見る世界って、どんなんだろう」と、気合を入れ寝る。


30℃近い熱帯夜、ほとんど寝れないまま、朝4時起きで中央道を走る。雲の隙間から指す朝日を見て、素晴らしい1日になることを確信。登山途中トイレに困ったら最後。想像したくない最悪の事態を避けるべく、気合を入れ、恵那山SAで用を足す。
Kisokoma1


7:30に菅の平バスセンタに着。気合を入れてバスに乗る。さすが平日、人は少ないが、思っていたよりずっと多い。週末はかなり混むらしい。駐車場500円+バス往復1600円+ロープウェイ往復2200。30分程度でしらび平1,662mに。そこからはロープウェイ。駅員の応対もいい感じで気持ちよい。
Kisokoma2


数分で日本一高い駅千畳敷駅2,612mへ。そう、2,612mから3,000m級の登山をする、ある意味「インチキ登山」である。
Kisokoma3


千畳敷駅に絶対あると思っていたカール。やはりあった。こいつも欲求でパンパンになってる。
Kisokoma4


殴り書きした登山届けをポストに入れ、表に出る。白い雪渓に、青過ぎる空が映える。尋常じゃない青さ。右にそびえるのが宝剣岳。これが彼との初めての出会いであった。
Kisokoma5



YouTube: 中央アルプス千畳敷カール 尋常でない空の青さ




気合を入れ、急勾配の八丁坂を登る。帰宅後かみさんが「これ合成写真?」 と言ったのが分かる。意味が分からないほど「青い」空である。きっと作り物に違いない。
Kisokoma6


毎週猿投山(632mとは言えナメちゃいけない)に登っているおかげで、まだまだ余力あり。乗越浄土2,850mへ。体調良好。
Kisokoma7


みんなは木曽駒方面へ向かう中、独り宝剣岳(2,931m)へ向かう。体力があるうちに、あそこに行かねば。
Kisokoma71


かっこよすぎる。宝剣。女性的な木曽駒山群の中で、極めて男性的。。。下から眺めていた親父さん2人が言っていた「やっぱ宝剣、かっこえぇーなぁ」。同感、惚れた。
Kisokoma8


トレッキングポールを仕舞い、鎖を伝って登る。ワクワクする。
Kisokoma9


最後の北側の鎖場。鎖はあっても足場がないようにも見える。「剱岳」の伝説の山案内人宇治長次郎さんの言葉が脳内に響く、「柴崎さん、無理してでも登らなあかんのです」
Kisokoma10


そして山頂に。傍らにある小さな祠にお賽銭を入れ、「やりたかったこと」の成功を祈願する。この岩の上によじ登り、座布団程度のスペースに一人だけ立つことができるのである。突風吹きまくりでヤバイ気もするが、ここまで来て断念はありえない。
Kisokoma11


気合を入れ、僅かなひっかけを探し、足と手のグリップを確かめ、最後は腕力でグイと身体を持ち上げ登る。突風吹く中、へっぴり腰を補正しながら立つ。「うひょー!すげぇー!何、この世界!」360度超パノラマ。眼下は目も眩むほどの谷底。落ちたら。。。それも人生。
Kisokoma12
ここまではやる人もいる。しかし、本当にやりたかったのはこれからである。高ぶる心を落ち着かせ、さぁ、いよいよ。耳元をビュービューと風切り音が響く。両手を拡げて目をつぶる。フラつく。「怖いわぁー」と目を開けると同時にしゃがみこむ。風が弱まるのを見計らい、もう一度立ち上がり、両手を拡げ、目を閉じる。更に片足で立ち、「1.2.3・・・・9.10」と高速でカウントする。ギネス未公認ながら宝剣頂上ブラインド+片足立ち世界記録樹立の瞬間である(大の大人が何をしているのだろう)。何と言うゾクゾク感と爽快感。誰も登ってこないので10分くらい頂きに立ち続け、非現実的な現実の世界を堪能した。降りる際、登ってきた数人にに「さっき山頂の岩に立ってたでしょ?あんなことよくやるわねぇ」と言われた。もうちょっと若い人であれば片手逆立ちの挑戦を薦めたところであった。


メインルートに戻り中岳(2,925m)を目指す。
Kisokoma13


中岳山頂。
Kisokoma14


木曽駒(2,956m)の全貌も見えてきた。とりあえずのゴールを目指す。
Kisokoma15


ガレ場を登るが、猿投山トレーニングのおかげで、特に苦しくはない。
Kisokoma16


山頂。空が近い。空気とはここまで澄むものなのか、いつも吸っている空気は吸うに値するものなのか?と思った。
Kisokoma17


一等三角点にタッチ。
Kisokoma18


左は御嶽、右は乗鞍。下界は40℃近い暑さだったとのことであるが、長袖でも動いていなければ寒い世界であった。日差しは強く顔まっ赤。
Kisokoma19


木曽駒から北東に伸びる稜線「馬の背」を縦走する。誰もいない。岩山のエッジに立つ。「怖わぁー」訳の分からない高さである。
Kisokoma20


初パノラマ写真。右から、木曽駒、中岳、宝剣岳、伊那前岳。
Kisokoma21


八ヶ岳、南アルプスは言うに及ばず、終日富士山(右から2つ目)もくっきり。木曽小屋のご主人も「こんなん珍しいわ」と言っておった。
Kisokoma22


戻りは、「危険、冬期閉鎖」の説明に心誘われ、中岳「巻き」から。奇岩多く、宝剣の次に絶景だった。ここお勧め、絶対いい。
Kisokoma23



YouTube: 中央アルプス中岳 巻きが面白い




乗越浄土に戻り、伊那前岳の稜線を進み、一番高い岩に腰掛け、愛しの宝剣に見入る。雲が多くなり、突風吹きすさぶが、それも楽しい。目と同じ高さから迫る雲に包まれ、視界ゼロの世界を愉しむ。
Kisokoma25



YouTube: 伊那前岳 あっという間に視界ゼロ




帰りたくないが、ロープウェイ最終時間が迫る。この状況でもシンデレラは登山靴を脱ぎ忘れただろうか?
Kisokoma26


とにかく宝剣のかっこよさにはしびれた。この日1日で写真500枚を撮ったが、ほとんど宝剣の写真。Love宝剣。
Kisokoma27
3000mの山から見た世界、それは。。。味わったことのない感動。
川は感激を与えてくれ、山は感動を与えてくれる。川は命のたくましさを教えてくれ、山は命のはかなさを教えてくれる。

本日の軌跡。
中央アルプス 千畳敷カール→乗越浄土→宝剣岳→中岳→木曽駒ケ岳→馬の背→中岳巻き→乗越浄土→伊那前岳→千畳敷カール遊歩道
Photo


(2013/7/12)

コメント


管理者のみに表示

トラックバック